2007年02月10日

講演会研修「裁判員制度・後編」模擬裁判

2月9日金曜日、商工会館大会議室において、講演会研修「裁判員制度・後編」が行われました。

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模擬裁判を行うにあたり、講師として横浜弁護士会を通して3名の弁護士の方にお越し頂きました。

それぞれ受付で渡された役に従って、裁判官、検察官、弁護人に分かれ、台本にそって役を演じます。
まずは裁判員制度と裁判の流れについて弁護士の方から説明を頂きました。

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左手奥から、種村 求弁護士、宮下 恭介弁護士、青木 康郎弁護士。
お三方とも30代前半の若くて優秀な弁護士さんです。


さあ、模擬裁判の始まりです。


まずは、被告人入室。

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被告人、友角 地味男(鈴木敦相談役)が手錠をされたまま法廷に入ります。

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廷吏の「起立!」の掛け声で全員立ちます。
裁判官の開廷の宣言がなされます。

ここからは、今回のケースについて、順を追って説明します。

【人定質問】
まずは、被告人が誰であるかを確かめます。

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「友角地味男です」


【起訴状朗読】
検察官により、起訴状が朗読されます。

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「建造物侵入、及び強盗致傷です」


【黙秘権告知】
審理を始める前に、被告人に対して、黙秘権があることを伝えます。

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「不利になることはしゃべらなくてもいいんです」



【罪状認否】
起訴状朗読で検察官より提示された公訴事実について、被告人が認めるか否定をします。

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「倉庫に勝手に入ったり、警備員さんを殴ったりはしました。ですが、盗むつもりは一切ありませんでした」

これにより、今回の主な争点は、「強盗致傷か傷害か」と言うことになります。
盗む意図があった場合は、より重罪の強盗致傷罪が適用され、実刑は免れません。



【冒頭陳述・甲号証請求】
まず、検察側は冒頭陳述で被告人の身上、経歴や犯行に至る経緯及び犯行状況等を述べます。
その上でその事実を立証する為に、供述調書や実況見分調書などの書証や犯行に使用された証拠物を、証拠として使用するよう弁護側に請求をします。

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今回のケースでは、殴られた警備員が検察に対して供述した調書については、弁護側は証拠として採用することを拒否しました。他の証拠については同意しました。

「このスパナは、あなたのものですね。これを使って倉庫の窓ガラスを割り、侵入した」




【証人尋問】
証人を法廷に呼び、証言をしてもらいます。
このケースでは、殴られた警備員が証人となります。
まず、検察側が尋問して起訴事実に沿った証言を得ます。その後、弁護側は被告人が不利にならないよう、また、冤罪を免れるように尋問をします。

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「私は殴られたんですよ。あいつが盗もうとしたところを捕まえたんです」



【乙号証請求】
検察側は、被告人の検察官に対する供述調書の取調べを請求します。今回のケースでは弁護側はこれに同意しました。

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「借金もあるし、ムシャクシャもしてましたけど、人様のものを盗むなんてとんでもないです。雨宿りをしていただけですよ」



【弁護側立証】
弁護側は、被告人の供述に対して、それを立証する証拠を提出します。このケースでは、気象庁からの犯行日の降雨記録を提出し、被告人質問を要求しました。


「当日その時間は雨が降っていました」



【被告人質問】
弁護側は、被告人が主張している点を質問により立証します。その後、検察側は反対尋問を行い、矛盾点や心情などを探って起訴状にそった犯行である立証を行います。

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弁護側「盗むつもりで侵入したわけではありませんよね?」
検察側「盗むつもりでスパナをもっていたんですよね?」



【論告求刑】
検察側は、この公判廷において取り調べた結果を元に、求刑をします。このケースでは、情状を踏まえても懲役6年を求刑しました。


「この件は強盗致傷で、重罪です。懲役6年を求刑します」




【最終弁論】
弁護人は、被告人の無罪を、事実関係を踏まえて主張し、求刑に対して裁判官に酌量を求めたり、求刑の内容を否定したりします。


「被告人は真面目でよく働く人です。盗む事なんてありません。寛大な判決を切望します。」



以上で審理はおしまいです。

裁判官は、被告人に最後に言いたいことを聞きます。
ドラマでも良くあるシーンですね。

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「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」



また、手錠をはめられ、被告人は退廷します。

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なぜか笑顔。




このあと、机を並べ替えて、この裁判について議論をしました。
役割別に裁判官チーム、検察官チーム、弁護人チームに分かれて、このケースの争点について有罪か無罪か、どのぐらいの刑に処するべきかを話し合いました。
これが裁判員制度における、私達がなりうる裁判員の役目と言っていいでしょう。

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本当に様々な意見が出ました。
それは各々の立場、経験からの視点でこの事件を判断した為であり、それこそが、裁判員制度の趣旨である、法律家ではない一般の人の価値観を取り入れた裁判、であると言えるでしょう。


この議論の結果を、裁判の判決に反映させました。

しばしの休廷の後、
【判決言渡】
判決を言い渡され、刑が確定します。

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今回は、強盗傷害罪と認めるには証拠が不十分であり、また被告人の真面目な生活態度から再犯の可能性もないという情状酌量により、建造物侵入及び傷害罪が成立し、

懲役1年 執行猶予3年 スパナ1個は没収 公訴費用は被告人の負担

という判決に至りました。



ここで模擬裁判は終了です。

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今回の裁判について、弁護士の先生方より熱の入った解説と、部員より質問が相次ぎます。

特に重点を置いて説明されていたのは、刑事訴訟では、「疑わしきは被告人の利益に」の原則が妥当するということです。
つまり、検察が完全な立証が出来ない場合、被告人を無罪とする原則です。
これにより、冤罪を防ぐと言うことですが、実際の判例の場合は、99.98%有罪と判決されるそうです。

そういう状況下において、裁判員と言う制度は有罪率に少なからず影響するであろう、と言うのが法律の専門家からの見解でした。


さて、そんな講演会研修が終了したのは、予定時刻を大幅に過ぎた22:30過ぎでした。


この模擬裁判を通じて、裁判の様子や、なにより私達がこれから裁判員として関わっていく意義を見出せたのではないでしょうか。
とても有意義な研修となった事と思われます。


種村弁護士、宮下弁護士、青木弁護士、本当にありがとうございました。


posted by 綾瀬市商工会青年部 at 02:18 | Comment(2) | TrackBack(0) | 研修委員会
この記事へのコメント
模擬裁判に来てくださった方々、本当にありがとうございました。
メガネ君アップ早いね〜、感心しますよ!
Posted by 大ひ魔神 at 2007年02月10日 10:54
お陰さまで、非常に眠いです
しかし仕事じゃー
Posted by メガネ at 2007年02月10日 12:21
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